「清牙、アイスかけて競争しようぜ」

「俊也、またお前は金欠かよ」

「うるせぇな!しょうがねぇだろ?バイクの部品で使っちまったんだから」

「俊也はもう少し金銭感覚ちゃんとした方がいいよ」

 帰り道。桃と紅葉が別行動で、男4人で倉庫に向かう。

 こんな打ち解けてる奴らだけど、清牙と颯人が同中だっただけで、俺と俊也は高校からだ。

 桃は清牙と幼馴染に近い関係らしいが…。
 紅葉は俊也と同中だが、一切話したことはなかったらしい。

 こんなバラバラの奴らを集めたのはもちろん清牙で、清牙がいなければ嵐鬼が発足することもなかった。

 実際ちゃんと6人でつるみだしたのも、嵐鬼ができたのも今年の夏の出来事だ。

「そういえば、蓬どうなったんだろうな」

 俊也、お前はなんでそうやっていらねぇこと掘り返すんだよ!

 清牙の視線がまた遠くなったのを見て、ため息をつく。

「大丈夫ですよ。警察がちゃんと保護したんですから」

「そうだけどよ、気になるだろ?」

 いつも通り授業爆睡して、朝も昼も夜もしっかり食べて寝てる奴が気になるとかほざくな!1日中ぼーっとして意識飛んでる清牙みてそれが言えるか!

 俺の怒りが俊也に伝わるはずもなく、舌打ちするにとどまった。