「どうかしましたか?」
「さっきの、広西さんって人と話させてくれ!」
「え…」
「おい、清牙何ばかやってんだよ!」
「すみません。すぐ連れて帰るんで…」
剣人と桃が左右から俺の腕を掴む。
でも、その制止を振り切って頼み込む。
かなり渋々といった顔で、広西さんに内線を繋いでくれた警察官に礼を言って、待合のためのソファに腰掛ける。
「何しようって言うんだよ。もう俺たちには関係ないだろ」
剣人の言葉を無視して、黙ったまま何も持っていない手を組んだ。
ため息をついた剣人が諦めて隣に座る。桃が剣人の隣に座り、広西さんが来るまで待った。
5分ほどしてやってきた広西さんはやはり怪訝な表情をしてロビーに降りてきた。