部屋に戻ると、真っ先に蓬が飛んできて抱っこをせがんできた。

 抱き上げれば、安心したように体を預けてくる。

「清牙、ほんとにその子さっき会ったばっかりなの?」

「知ってる子なら、家まで届けたよ」

「それもそうね。…その子、ずっとドア見て待ってたのよ。清牙のこと」

「そうか」

 頭を撫でれば目を閉じてされるがままになる。

 控えめに抱き着いてくるのも、かわいらしかった。

「警察はなんて?」

「明日の朝、市の警察署に行くことになった」

「じゃ、今日までか」

 事件にされることがなくなったことで、安心した剣人と颯人はようやくいつもの顔に戻る。

 ソファに腰掛けると、蓬は俺の膝の上で大人しく5人をきょろきょろ見回している。