どうするか、とりあえずこのあたりの家を総当たりするか、それとも警察に届けるか。

 少し悩んだが、女の子の格好が寒々しいのがどうしても気になって、その2つの選択を蹴った。

「一緒に来るか?」

「…?」

「蓬、寒いだろ?とりあえずあったかいところ行こうぜ」

 手を差し出して問いかければ、きょとんとした顔のまま小さな手を重ねてきた。

 冷たい。ずっと外にいたんじゃないかと思うくらい冷たい手だった。

 試しに抱き上げてみれば、やっぱりずいぶん冷えている。

 でも、パジャマ姿だから濡れているかもしれないと思った髪は、随分乾いていて、とても風呂上りには思えなかった。

「蓬、バイク乗っていくから、ちゃんと捕まっとけよ」

 小さな体をバイクに乗せて、自分がかぶっていたヘルメットを一応かぶせる。

 …が、重さで体ががくがく揺れるのを見て、結局ヘルメットはやめて、タオルで頭をくるくる巻いておいた。

 自分が前に乗って抱き着かせてはみたが、やはりやめで、結局膝の上に蓬を乗せて落ち着いた。