「なぁ、なんでそんな機嫌いいんだよ」

「え?誰かの誕生日をお祝いするのってうれしいじゃないですか」

「うれしい…?」

「はい!だって、お祝いできるってことは、私にとってその人が大事な人だってことじゃないですか。そして、それだけその人と近い場所にいられてるってことなんですから!」

 力強く言い切った蓬の言葉に思わず顔が熱くなる。

 なんだよそれ。ドストレートに大事だって思われてるってことか。

 蓬は自分の言ったことになんの恥ずかしげもなく言い切って、そのまま鼻歌まで歌いだした。ほんとに機嫌がいいらしい。

 学校に行くだけなのに、蓬の機嫌のよさに何となく楽しくなって、自然とつないだ手が振られてるのにも恥ずかしさを感じなかった。