蓬と倉庫を出て、徒歩でコンビニを目指す。
歩いて5分もかからないところだったから、誰にも伝えずに、出てきてしまった。
『何買うんだ』
『ココアです!後で半分こして飲みます』
『なんだそれ』
『半分入れて、もう半分は牛乳入れるんです。お父さんとお母さんが牛乳嫌いだった私にそうやって飲ませてくれたので、それが染み付いちゃったんです』
父親と母親の話をする時、蓬は無意識だろうが幸せそうな顔をする。
時々、父親である初代総長の清牙さんが迎えに来たときは、何をしていても放り出して、真っ先に駆け寄っていく。
丁度反抗期のはずなのに、そんなのは一切なくて、嬉しそうに親に駆け寄っていく蓬が、時々うらやましくも思った。