『あいつは初代の娘だ』

『うわ!?』

 何の気配もなかった。

 背後にいた総長は、驚いた俺を完全に無視して、女の子を見つめている。

 でも、初代の娘という言葉に、思わず不快な感情が心を占めた。

『…初代の娘だからって、入れていいもんなんすか』

『あいつは、人を見る目がある。それに、人を拾うからな』

『…は?』

 猫や犬ならわかる。人を拾うってなんだ。

『お前を見つけたのは、あいつだ。俺に連れてけっていったのもな』

『…どういう意味ですか』

 総長に見つけられたとき、確かよもと1コ違いが妥当だと言っていた。

 …まさか、そのよもって子があの女の子か…?