「そういえば、朔夜って嵐鬼に入ったの中2だったけ?」

「見習いだけどな」

「渉さんより長いんですよ?」

「そういえば、朔夜が嵐鬼に入った経緯とか聞いたことなかったわね…」

「朔夜、教えろよ」

 話が別の方向に飛んでるぞ、こいつら…。

 渉さんを見るが、その顔は好奇心で染まっていて、雷斗はせがまないが、目ではしっかり訴えてきていた。

 話さなきゃ、ダメか。これは…。

 蓬を手招きして、隣に座らせると頭をくしゃりと撫でる。蓬の緩んだ表情に、心が静まるのを感じる。

「中2の頃、繁華街で暴れてた時だ」