「よもぎちゃん、次の嵐鬼の総長、誰がいいと思いますか?」
何の前触れもない渉さんの質問に、蓬は目を丸くさせる。
って、蓬にそんなこと…。
「もうそんな時期ですか?」
「朔夜が進学だから、早めにですよ」
「あぁ、なるほど…。そうですね。う~ん、こうくんはなしですね。あの人はどちらかというと焔さんの後釜っぽいので」
渉さんの直球の質問にも、蓬はためらうことなく答えてしまう。
驚いているのは俺だけではなくて、輝星も凪も雷斗も驚いてる。渉さんは、俺たちのそんな顔が面白いのかくすくす笑い声を漏らした。
「朔夜は知りませんよね。次の総長は朔夜がいいといったのは、よもぎちゃんなんですよ」
「え?蓬が…」
「ぼそっと言ったら、その気になっちゃったみたいで…」
「よも、なんで朔夜が総長がいいって思ったの?」
「そうですね…。朔夜さんを見つけた時になんとなくです」
「見つけた時!?」
蓬の言葉に思わず目を見張る。
見つけた時って、まだ嵐鬼にも入ってない中学生の時だぞ…。