「よも」

「え?」

 肩をつつかれて振り返ると、思わずびっくりして固まってしまいました。

 あれ、今年はみなさん来れないから人手が足りない…じゃなかったでしたっけ???

「なんでいるんですか!?」

「は?毎年来てるだろ?」

「だって、今年は来れないからって…」

「…清牙~、何嘘吹き込んでるんだ~」

 呆れた顔の剣人さんは、お父さんの方に歩いて行ってしまいました。
 あれれ?俊也さんも颯人さんも紅葉さんもいらっしゃるじゃないですか…。

「蓬、どういうことだ?」

「さ、さぁ?私も分からないです」

 どうやら私とあきくんだけ嘘つかれていたみたいです。お父さん何のために…。

 ふと隣のあきくんを見ると、なぜか複雑に表情を作っていて、その視線はお父さんに向いていました。