私達の出会いは11年前の寒い日だった。
母は私に分厚いコートを着せて、
無理やりなんかのイベントに
連れて行こうとしてた。

「由紀、早くしなさい。うじうじしないの!久美も早く靴を履いて!」

3歳下の妹、久美と私は人見知りで
人が多いところは大嫌いだった。

私達姉妹はブツブツ言いながら
母にひっぱられながら向かった。