ギャルと考えて浮かんでくるのは、金髪。赤い派手な口紅。ヒョウ柄とか。
あとは…短いスカート。
あっあたしもスカートは短いかもしれないや。
一旦思考をリセットし、深呼吸。
いやいや百瀬花!お兄ちゃんが好きになる人なんだから、きっと黒髪に色白の美人にきまってる。うん。清楚な感じ。
そうだ、きっとそうに違いないと勝手に1人で頷いているといつの間にか堀先輩は消えていた。
お昼休みのチャイムが聞こえる。
そうそう、5時間目の授業で使う辞書を借りに来たんだった。
本当はお兄ちゃんに借りる予定だったのだけれど、先に堀先輩に会ったから先輩の辞書を借りた。
パタパタと先輩の辞書を手にして廊下をスキップする。
どうせなら先輩に悪戯してやろうと、消える蛍光ペンで何ヶ所が線を引いておいた。
先輩はこの気持ちに気づいてくれるだろうか。
ちょっとだけ頬が熱い。
線を引く手が震えた。
【恋】こい こひ
特定の異性に強く惹(ひ)かれ,会いたい,ひとりじめにしたい,一緒になりたいと思う気持ち。 「 -に落ちる」 「 -のさやあて」 「 -に憂き身をやつす」
古くは,異性に限らず,植物・土地・古都・季節・過去の時など,目の前にない対象を慕う心にいう。
恋に上下の隔てなし ・ 恋は曲者 ・ 恋は思案の外 ・ 恋は盲目 ・ 恋は闇
(変な言葉に線を引いた中、ひとつだけ入り混ぜた本音)
堀先輩は、気づくだろうか?