暗い暗い暗い。


舞台は古いアパート。そこには一人ぼっちで死んでいった女の子がいるんだとか。




ごくり、お邪魔しまーすと扉を開ける。ギシリと音がリアリティ溢れる。ドクンドクンと心臓の音とシンクロして聞こえてくるのは近くにある時計だろうか。


よく見ると時刻は午前1時。所謂丑三つ時で、本当にもうやめて欲しい。と。




「……花ちゃん」

「堀先輩…」

「ごめん、俺ギブ!」

「は!?」




あたしよりも堀先輩の方がアウトでした。


しかも涙目であたしの服の裾掴んできて、こいつあたしよりも女子力あるんじゃない?なんて考えさせられる。


まじか、ととりあえず出口はどこだろうかと辺りを見回す。なんだか冷静になってきた。だけど、次の部屋へ向かおうと廊下へ足を踏み入れた時。






「っ……!!!!!」






声は出なかった。


何故って、後ろから白くて血まみれの女が追いかけてきたのだ。思わず廊下をダッシュするも堀先輩は流石運動部、あたしを置いて逃げていく。何なんだこの野郎。


その後は、先頭の堀先輩に散々トラップが作動し、阿鼻叫喚であった。