「花ちゃん、あの2人何楽しそうに話してるんだろうね」
「ここは2人で想像してアテレコするしか」
「ぬうう…気になるー俺の聴力今だけ10倍ぐらい良くならないかなー」
「なんですかそれ」
それは先程も気になっていたことだけれども。
ふと前を見たら、颯希のふわりとした楽しそうな笑顔。なんだ、心臓爆発するとか言ってたのにうまくいってるじゃないか。
あたしもなんだかホッと胸を撫で下ろす。と。
「きっと今の会話は……少女漫画的に、人多いね?」
「そうだね、はぐれないように俺と手でも繋ぐ?」
「よろしくお願いしますとか……」
「手…………」
あ、と両頬が熱を帯びる。
先程はどさくさに紛れて堀先輩と手を!手を繋いでしまったのだと、つい意識してしまった。
堀先輩はあたしを意識しているのだろうか、とちらり視線を送ると花ちゃん顔真っ赤だよ可愛いなんて、これじゃあいつまでたっても妹扱いみたいな、そんな感じがする。
「先輩、お世辞はやめて下さいよ」
「御世辞じゃないよ、可愛いと思ってるよ。妹みたいで、ね?」
「はいはい」
ほら、そうだ。
小さい頃からお兄ちゃんの友達として家に遊びに来たり公園で遊んでいたいるところに遭遇したり。その度にあたしも一緒になって遊んでいたから、いつの間にか先輩からは妹みたいって言われるようになった。