とまあ、気になって颯希と坂田くんの数メートル後ろ。気になりすぎてついて来てしまった。


ざわざわとお祭りだから人は多い。この時間帯は、あたしもそうだけど制服姿の学生がほとんどだ。


颯希と坂田くんの距離は人ひとり分開いていて、会話とかちゃんと出来ているのだろうかと不安になる。せめて声が聞き取れればなあ、なんて思っていると。




「うおっと…すみません」




2人に気を取られてつい人にぶつかってしまった。すみませんと謝ると、そこには同じクラスの羽崎くん。


羽崎くんはお兄ちゃんと同じバスケ部。そういえば今日はお兄ちゃんがバスケ部のメンバーでお祭りに行くとか言ってた気がする。


そう思い、羽崎くんの後ろにひょっこりと顔を出す。と、そこには。




「あっ!はーなちゃーん!!」

「うげっ」

「ひどーい!げって何!?俺先輩なんだけどー」

「わあー会えて嬉しいなー堀先輩だあー」

「すっごい棒読みなんだけど!生意気!!」



当然のように絡んでくる堀先輩。隣にはお兄ちゃんもいる。