教室からは、ちらちらと女子たちが先輩の事を見ていた。
なんだかムッとしてしまう。
先輩はモテるのだ。
そういえば堀先輩は後輩大好きと言っていたけれど、恋愛対象としてはどうなのだろうか。
ちょっと気になる。まあ、聞く勇気ないけど。
「…右、ですか?」
「ふーん…ファイナルアンサー?」
「うっす!」
「はーい残念。じゃあ今日の罰ゲームはこれねー」
はい、と渡されたのは命令の書かれた紙切れ1枚。好きな子を誘って行ってきてね、と笑顔で言う先輩はやっぱり鬼畜だと思う。
ふと今日の天気は雨だな、と窓の外を眺めてみる。
さて、後で誘わるであろう颯希の心臓は無事だろうか。なんて堀先輩と坂田くんの会話こそは聞こえていないものの、坂田くんを遠くを見つめて頬を染める天使に思わず口元を緩めた。