他にも、
『日野さんの手ってすごい綺麗だよね』
『ひえっ』
坂田くんとの会話をこれだけで終わらせてあたしの所へ来たと思えば、花っ3千円のハンドクリーム買ってきて!と言われたり。
『日野さんの髪ってさらさらだよね。触ってもいい?』
『ひゃい』
坂田くんに悲鳴を上げたと思えばまたあたしの所へ来て、もう髪の毛洗えないと机に突っ伏していた。
可愛いでしょ。あたしの親友。
だけど、あまりにも奥手すぎてあたしの最近の悩み事でもある。
と、そこでいい事思いついた。頭の上に豆電球がぴこんと浮かび上がる。
「ねえ颯希」
「なーにー?」
「坂田くんの写真あげるからさ、1枚につき一言坂田くんとお話ししてね」
「ひいいっ」
その時の彼女は、地獄に叩き落とされたような。死んだ魚の目をしていた。