「はいっ坂田くん!目線こっち!」
ぱしゃーっとバスケ部である同級生を写真に収める。仲のいい人が部員でよかった、本当に。
しかも彼は堀先輩にとってお気に入りナンバーワンだ。
あれからあたしは盗撮という犯罪まがいの事は心が痛むので堂々と写真を何枚か撮らせてもらうことにした。と言っても、いきなり同級生に写真撮らせてと言っても怪しまれるので結構たくさん理由を考えた。
結果。
『――坂田くん!金平糖のためにあたしに写真を撮らせて!!』
『なんで?』
『堀先輩が坂田くんの写真撮ったら金平糖くれると言ったから!』
『いいよー』
もうどうにでもなれ精神だった。別に嘘は言っていない。全部本当だ。人生直球が1番だ。
別に金平糖につられたわけではない。決して。
そんな感じになんとか写真を数枚先輩に送ると、颯希が携帯画面を覗き込んできた。