私も、ゆっくりと個室を出る。


鏡には、赤くなった目が映っていた。


こんなんじゃ、教室帰れないよね。


そう思って、私は保健室へ向かった。


希美ちゃんのことを考えると、お腹がキリキリと悲鳴をあげる。


入谷くんについた嘘が本当になっちゃったな…


「お腹が痛いので、休ませてください」


保健室の先生は、私の赤くなった目を不思議に見ていたけど、話に触れることはなかった。


「あなた、もう早退したら?」


気を効かせて言ってくれたであろうその言葉に、申し訳なさを感じて、素直に小さく頷くことしか出来なかった。