中学生になって、1番最初に目についたのが永瀬さん。


出席番号が前後ということもあり、前の人はどんな人なんだろうって気になっていた。


だから、係り決めのときに、思い切って話しかけてみたんだ。


そうしたら、意外と気が合うと気づき、飼育係に誘った。


永瀬さんがいて、イチがいる。


そんな小さな幸せが、私の中で大きな希望へと変わりつつあった。


だけど、そんな幸せにも終わりがあった。


佐川さんが、テニス部に入らないかと誘ってきた。


そんなことは、今までであまりないことだから、もちろん嬉しい。


でも、私は美術部に入るつもりだった。


すると、永瀬さんもそうみたいで、体験入部の誘いを断っていた。


私も、断ろうかな。


なんて思ったけど、佐川さんの悲しそうな不安の表情を目の当たりにしたら、自然と口が動いていた。