「おはよう、シオ…」


小屋から出して、脇を掴んで持ち上げる。


ベンチに下ろすと、ぐーっと大きく伸びをした。


「はい、エサ」


柏木くんが、エサを袋から少し出して、用意してくれた。


「ありがとう」


彼の手から受け取って、シオの口に運ぶ。


にゃー、とひと鳴きして、喜んでいるようだ。


そんなシオの姿が、とても嬉しい。


「シオも、大きくなってきたね」


柏木くんの声が、聞こえる。


「…あれから、もう一年たったんだ」


いろんなことがあったなあ…


懐かしい思い出が、走馬灯のようにたくさん出てくる。