「じゃあ、これで解散します。短い間でしたが、ありがとうございました」
柏木くんが大声で呼びかける。
その一言で、やっと終わったんだって実感した。
大変だったけど、やって良かったなと今ではすごく思う。
なんてことを振り返っていると、私の名前が呼ばれた気がした。
「…佐川さん」
切なそうな、それでいて、どこか申し訳なさそうで、複雑な表情をしている佐川さん。
「どうかしたんですか?」
「やっぱり、謝りたくて。あのときのこと…」
あのとき。
それで思い浮かぶのは中学生のころ。
ずっと、胸に引っかかるものがあったけど、今ではそれも、かなり楽になった。