「ははっ…!永瀬さん、目つぶってる」


カメラのもとへ駆け寄り、写真を確認した柏木くんは、私にそれを見せてくれた。


目をつぶり、口は半開き。


あまりにも真ん中としてふさわしくない私の姿。


正直言えば、もう一度取り直したいくらいだ。


すると、そんな私の気持ちを察してくれたのか、柏木くんが私に気を遣ってくれる。


「みんなに頼んで、撮り直ししてもらう?」


だけど、このあとの用事がある人もいるだろうし、そんなのは悪いと思って、断った。


「まあ、永瀬さんがこれでいいなら…」


柏木くんは、納得がいかないようで、何度も写真を見返す。