「じゃあ、私はしおりの隣ー!」


手をあげて、立候補するように言ったのは、希美ちゃん。


でも、そのピンと伸びた腕は、別の人の手によって下げられる。


「だめだ!永瀬の隣は1人しかいないだろ」


入谷くんは、そう言って、希美ちゃんと一緒に端に寄る。


「そっか、ならしょうがないよね」


希美ちゃんも、入谷くんの言葉に賛成したのか、すんなりと受け入れてしまう。


1人って、誰のことなんだろう…


そう考えながら、周りを見回してみると、大体の場所に人が立っているのが分かる。


左奥に、希美ちゃんと入谷くん。


右奥に、千鶴さんと佐川さん。


すると、残っているのは……