「じゃあ聞くけど、永瀬とはどうやって知り合った?」


その瞬間、さっきの質問では止まらなかった手が、動かなかった目が、小さく反応した。


手がピクリと動き、目線が俺を捉えた。


お前には関係ない、とでも言うように。


「永瀬さんは、本当に良い人だから、傷つけたら許さない」


伊月が発した言葉は、想像よりも遥かに大きく、俺の心を強く貫いた。


2人の間に何があったかは知らないが、確かな絆が存在していることに間違いはない。


永瀬だって、伊月のことを心から信頼している。


つまり、両思いってわけだ。


くそ…そんな話を聞くために、勇気を出したわけじゃないのに。