そして、30分たったころ。 繰り返しの作業に飽きてきた俺は、目の前で黙々と作業をする伊月に、いろいろと聞いてみることにした。 「…お前って北沢に通ってるんだな」 「そうだけど、なに?」 普通に返された。 『なんで知ってるの?』とか、もっと動揺すると思っていたのに。 伊月はこんなにも冷静な性格だったか、と脳内で過去の様子を探ってみる。