そんな彼女の姿に、私の不安はより増していく。


犯人、なんて言葉は使いたくないけど、きっといじめのリーダー格になっているのが、佐川さんだと思っている自分がどこかにいた。


その年の冬、とうとう新山さんは学校に来なくなった。


そして、その後を継ぐように、イチもこの世を去った。


残っているのは、友だちと楽しそうに笑う佐川さんと、ちっぽけで小心者の私。


新山さんのいないこの世界には、冷たい空気だけが漂っている。