それからのこと。


佐川さんはテニス部に入り、私たちは美術部に入った。


そして、佐川さんは同じ部活内で新しく友だちを作り、飼育係の活動をすることはだんだんと少なくなっていった。


佐川さんが完全にイチの世話をしなくなったころ、新山さんがいじめられるようになった。


本人は直接言わないけど、気づけば忘れ物が多くなったり、ひとりでいることが多くなっているような気がした。


そのたびに、私は心配になって声をかけるけど、大丈夫です、と一言笑ってみせた。