だけど…
「…私は、許してないんだから」
声が聞こえたのは、佐川さんの方からで、私は耳を疑ってしまう。
「今、なんて…」
「だから、許してないって言ってんの!昨日だって、今みたいに、2人で仲良く私のこと騙して笑ってたんでしょ!?」
目に涙をいっぱい溜めながら怒る佐川さんに、よく分からない気持ちが私の胸を強く締め付けた。
「そんな…違います!永瀬さんは関係ありませんっ」
2人とも、必死でお互いの気持ちを理解しようとしているのにどこかすれ違っている。
私は、そんな2人に何かできることがあるのだろうか…