すると、新山さんがそんな私に気付いて、あそこのベンチに座りません?と指を指して言った。 気がきくなあ、と私は新山さんのあとを追う。 「でも、上手な断り方が分からなくて…下手に相手を傷つけたくないじゃないですか」 そっか…そうだったんだ。 私の知らない本当の新山さんの思いは、想像していたよりも、ずっと大人だった。 佐川さんのこともちゃんと考えていたんだ。 感心すると同時に、自分の行動に反省する。