『どうしたの?』 そう聞こうとして、声が止まる。 私なんかが聞いていいのか分からずに、小さな勇気さえ、出すことが出来ない。 やっぱり、待とう。 話してくれるまで。 だけど、その思いが実ったのか、答えを知るときは簡単にやってきた。 「美術部の見学は8人ですね。では、確認をするので、名前を呼ばれたら、返事してください」 放課後、部活動見学で訪れた美術室で、それは起こった。