「ねえ、永瀬さん、新山さん!テニス部入らない?」


ある日のこと。


まだ部活に入っていなかった私たちに声をかけてくれたのは、同じ飼育係の佐川 湊(みなと)さん。


明るくて、元気な人気者。


今も爽やかな笑顔を私たちに向けている。


でも、私は…


「美術部に入ろうと思ってて…ごめんね」


「そうなんだ…残念」


肩を落として、ため息をついた。


やっぱり、知り合いがいない部活は心細いから、今こうして友だちを集めているのかもしれない。