いつもは誰もいないこの空間に、誰か人がいるのが見えた。 北沢高校の制服を着ていて、シオの頭を撫でている。 後ろ姿だけど、柏木くんだとすぐに分かる。 すると、その人も振り返って、こっちを見た。 「あ…!永瀬さん」 やっぱり、柏木くんだったみたいだ。 久しぶりに会えたのが嬉しくて、つい、小走りで駆け寄ってしまう。