「じゃあ私、ちょっと仕事してるから、なにかあったら声をかけてちょうだいね」 そう言って、仕事用のデスクに座り、老眼鏡かけて、パソコンを開いた。 はい、と永瀬さんが言うと、にこっと笑った。 「ねえ、永瀬さん…」 「…ん?」 永瀬さんは、優しく微笑んで聞き返す。 「ごめんね」 下を向いて、つぶやくように言った。 そして、今までのことを語り始めた…