「しょうがないじゃん、あの子、ぼっちだもん」


ぼっちだから、私が守ってあげないといけないんだよ。


だけど、永瀬さんは、それっきり教室には帰って来なかった。


そうしたら、拓海が息を切らして教室に飛び込む。


そして、何も言わずに永瀬さんの机をあさり、教科書をかばんに詰めていく。


永瀬さんに、なにかあったのかな…


心配になって、拓海に声をかける。


「手伝おっか?」


「いや、いい。けんか、してんだろ」


「…え、けんか?」


黙々と作業をしながら、そう話す。