「どーしたの、菜穂」


「別に、大したことじゃないんだけどさー」


そう言って、メイク直しに付き合わされた。


文化祭の準備がどうとか、そんな適当なことを話しながら、近くのトイレに入る。


「そういや、最近、希美のクラスの大人しそうな子とよく一緒にいるねー」


鏡とにらめっこしている、菜穂が言う。


「あー…永瀬さんでしょ、で?」


「なんか、希美とタイプ違うけど、話とか合うのかなーって」


まあ、側から見たらそう思うよね。


でも…