「私、篠原 希美!よろしくね」


急に話しかけたから、びっくりしている。


そんなところも、かわいいさえと思う。


「あ、えっと…永瀬 しおりです」


永瀬さん…


にこっと優しく微笑む永瀬さんは、見た目通り良い子のようだ。


ふとクラスを見渡すと、そこには、偶然にも幼なじみの拓海もいた。


同じクラスなんだ…!


「拓海ー!同じクラスだね」


「みたいだな!1年よろしく」


相変わらずの弾ける笑顔で、そう返してくる。


それだけで、やっぱり拓海が好きなんだって気づく。


だけど、文化祭練習のある日、事件は起きた。