そんな中、大きな木の影に隠れるようにひっそりと生きる、1本のきのこを見つけた。


「あった…!」


私は、嬉しくて、笑顔で駆け寄る。


引っこ抜いて見ると、意外と大きくて、重かった。


これなら…!


そう思って、それをネコに渡す。


食べるかなあ…


私は、好奇心たっぷりの目で、ネコをまじまじと見つめる。


すると、口をゆっくりと開き、きのこにかぶりついた。


「うわあ…!食べたあ」


その行動にテンションが上がった私は、思わず、ネコの頭を撫でていた。


ビクッとして、後ずさりするネコ。


それを見て、顔がゆるんでしまう。


「これから、安心だね」


だけど、これが悲劇の始まりになるなんて、このときの私は気付いていなかった。