「ちょっと、待っててね」 私は、あたりを見渡した。 ここは、小さいけど一応山だから、なにか食べれるような山菜とか、木の実とかあるはず。 そう思って、ずっと探しているけど、まだ10歳にも満たない私には、食用かどうかの区別なんて分かるわけがなかった。 にゃー、と小さくネコが鳴く。 それはまるで、私を急かしているようにも聞こえた。 「ごめんね、まだ見つからないや」 苦く笑って、また探す。