このネコを救うことができるなら… 助けることができるなら… 小学生だった私は、そう思うことしかできなくて、何もできない自分がどうしようもなくいやだった。 「お母さん、動物飼う気はない?」 遠回しでそう聞いてみた。 飼っていた犬が旅立ってしまったばかりだから、ペットの話をするのは、少し気がかりだったから。 だから、本当は答えもわかっていたんだ。