そして、私たちは近くのソファに座る。


希美ちゃんは、もう涙は枯れたみたいですっきりとした顔だった。


「じゃあ私、ちょっと仕事してるから、なにかあったら声をかけてちょうだいね」


そう言って、仕事用のデスクに座り、老眼鏡かけて、パソコンを開いた。


はい、と返すと、にこっと笑った。


「ねえ、永瀬さん…」


「…ん?」


希美ちゃんは、うつむき加減で口を開く。


「ごめんね」


下を向いて、つぶやくように言った。


そして、私が言葉を返す前に語り始めた。