「永瀬は関係ないよ。昨日一緒にいたのだって俺が誘ったんだし…」 「…あ、そうなんだ」 ふと希美を見れば、不安げだった表情がさらに暗くなってゆくのが分かった。 なにか、まずいことでも言ったかな? 「……でさ、話あるんだよね?」 「あ、うん…そう、なんだけど」 希美は、下を向いて黙り込んでしまう。 重たい風が、2人の間をすーっと通る。