手を繋ぎ始めてから歩くこと数十分。
飲食店が並ぶ道に出た時、すれ違いざまにみんなが私達を見る。
ヒソヒソと聞こえる声は…
「すっごい可愛い男の子」
「女だったら俺確実ヤれそ〜」
その他にも色々聞こえてくる声は、全て五十鈴君に向けられている声だろう…
そんな彼の顔はとてつもなく嫌そうな顔。
…確かに外に出てまでこんな事言われたら嫌にもなるかも…
「…究極にうぜぇ」
いつもの高くも低くもない声は今だけはとても低く聞こえた。
「き…気にしない方がいいよ」
なんてそんな励まし方しかできない。
すると五十鈴君は私を見て…
「おう」
一言返事をしてくれた。