その言葉になんだか笑いが込み上げる。
可愛い……。
だって今のって緊張してるって言ったようなもの。
「…なに笑ってんだよ」
ほんのり頬を赤く染める五十鈴君はとても可愛く見えた。
「ううん、何もないよ」
可愛い、なんて口が裂けても言えないな。
言ったらきっと五十鈴君は怒るだろう…。
「萩野って甘いもん好き?」
甘いもの?
「うん?好きだよ」
そう言うと五十鈴君は…
「じゃあケーキ食べに行こう」
そう言って私に手を伸ばす。
私の目の前にある五十鈴君の手。
私はそれを見て首を傾げる。
「え…っと………?」