翌朝、食堂に向かう廊下はいつもと変わらず制服の乱れもなく綺麗な黒髪をした清楚な女生徒の挨拶が今日も飛び交う。

「おはようございます」

「おはょふぁー」

「桜先生!何ですかその格好?…髪はクシを通したんですか?ボサボサじゃありませんか?それに挨拶ははっきりとお願いします!!」

「はいはい、皆さんおはようございます!」

「返事は一回です!」

光浦先生のいつもと変わらぬ凛とした姿には賞賛するものであります。

健康診断3日目
保健室で健康診断の準備をしようとしてふと窓の外へ目を向ける。
厚い雲が空を覆いどんよりした空模様である。

「雨降りそうだな…」

 (もう、処置は終わってる頃かな…)

美鈴は考え込んで居た為保健室の扉が開き真奈美が入って来た事に気づかずに居たのです。

「美鈴、昨日は大変だったね?」

「あっ真奈美来てたの?」

「どうしたのボーとして?」

「うん、ちょっとね」

真奈美が篠原さんの事を知ってるかどうか分からない為、今は話を濁す事にした。

「聞いたよ、昨日実家に帰って居たら光浦先生がお父様を訪ねてみえて一緒に聞いた」

「で、処分は?」と私は慌てて聞く。

「お父様は光浦先生に任せるって言ってた。それからこの事は他の先生の耳にも入れないでほしいって光浦先生が頼んでたよ。他の生徒の耳に入るかも知れないからって」

「そう?」

 (さすが光浦だわ)

「まぁ光浦先生に任せておけば間違いないでしょ?」と真奈美が言う。

 (私もそう思う)

「そうだね、真奈美そろそろ授業行かなくていいの?」

「あっ行かなきゃ!なんかあったら言ってね、じゃ!」と真奈美は保健室を出て行った。