ガラガラ…

「こんばんは」

「ぃらっしゃい、昨日のおねぇちゃんカウンターで良いかい?」

「はい」

「やっぱり美鈴も来たか?」とカウター席に座っていた北島先生が声を掛けた。

「皇輝も来てたんだ? おじさん生ビールとぬか漬けそれと串かつ2本」

「飲まなきゃ寝付き悪そうでな…」と北島先生は少し顔を歪める。

「うん…私も一緒…」

「でも、美鈴が光浦先生を尊敬していたなんて驚いたよ、てっきり嫌ってると思ってたからな? おじさん生お代わりそれと俺もぬか漬け」

「わぁーぬか漬け頼んでるし人の事『親父か?』とか言っときながら」

「だってこれ旨いじゃんホントに旨い」と頷きながら美味しそうに食べてる。

「私達が在学中はまだ女子校でさぁ遊びに行った先で男の子にカラオケに誘われて楽しくて時間を忘れて遊んじゃった。門限を過ぎて寮に帰った時はそりゃもう大騒ぎになってるし先生方に凄く怒られたよ、でも光浦だけは私達を抱きしめて『無事で良かった』って言ってくれたんだ。で、後から真奈美のお父さんに聞いた話だと『あの子達は大丈夫、大丈夫』って祈るように呟いて一番心配してくれてたってさ。まぁその後小言は言われて1ヶ月間のトイレ掃除になったよ。それからも私は何度か門限を破ったりしたけどね」

「あの光浦先生がねぇ、でも今日の見てたら分かるかな?ちょっと印象変わったわ」と言う北島先生

「小煩いと思うのは変わんないけどね?」と私は言う。

そして2人は顔を見合わせ笑うのでありました。

「おじさん、鮭茶漬け」

「なに?美鈴もう飲まないの?一杯だけしか飲んでないじゃん」

「うん…もう止めとく、なんだか悪酔いしそうだから…」

「そうだな…あ、明日も俺乗せて行くわ、篠原を迎えに行くんだろ?」

「うん、ありがとう」