エドとの婚約……

多額の借財……

おじい様のご病気……


次から次へと語られる事実に目まいを起こす。


再びエドの運転する車に乗り、屋敷までお葬式のようなドライブを続ける。



おじい様が亡くなる……

今度はおじい様まで……


頬を涙が伝う。



「今日は言い過ぎました」

「……おじい様のご病気は?」

「胃癌です」

「でも手術すれば……」

「手の施しようが無いほど進行していると聞きました」

私の体はずぅぅぅんと重くなり、そのままシートにのめり込んでしまいそうになる。


悪い夢。

そうだ。

これは、夢なんだ。


「エド。あなた、さっき4億ドルの借財を肩に私を買ったんじゃないって言ったわよね」

「……言いましたが?」

「それが本当なら、婚約は取り止めて」