以来、おじい様は私にとても優しく接して下さった。


その優しいおじい様を私は裏切ろうとしている。


ううん。


もう、裏切ってしまってる。


ジョージに恋した時点で。



だけど……


ジョージ……。



ジョージも私をじっと見つめ返してくれる。




「そうじゃった。今日はお前達に会わせたい人をお招きしているのだよ」



そのとき、丁度、玄関の呼び鈴が鳴る。



バトラーの招きで入ってきた背の高い男性は、部屋に入ると被っていた帽子を取り、親しげに笑みを浮かべる。


その男を見た瞬間、私はその場に凍り付き、言葉を失う。