あまりにも強く差し込む陽射しに、私は思わず顔を背け、掛け布団を目深に被る。


「お嬢様に、一刻も早くお会いしたいとおっしゃってましたよ」


「着替えたら直ぐに行くわ」


「それでは、出来るだけ早くにお越し下さい」



せっかちなノラが部屋から出て行くのを見届けると、私は再びベッドを抜け出し、恐る恐る鏡を覗き込む。



「やっぱり、赤いアザみたいなのがある……。何かしら、これ?」


昨日の夜、神を欺いたから、その刻印が私の首に刻まれてしまったのかしら。

これは背信に対する罪の証拠なのかしら?



私はドクドクとなる心臓を押さえながら、何とか首筋にあるアザを隠せる洋服に着替える。