あの男だわ!


今朝、木の袂にいた……失礼な男。




「アリシア?どうした?」



突然飛び起きた私にジョージも驚き、体を起こす。



私は息を弾ませ胸元を閉じながら、じっと木々の隙間に目を凝らした。



だけど、気のせいだったのかもしれない。



必死に目を凝らして見ても、木々の奥には漆黒の闇が広がっているだけだった。